HIV感染症とは

エイズとは、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染して症状が進行すると、身体の免疫機能が徐々に破壊され日和見感染という症状が現れ通常は感染しない菌やウィルスなどに簡単に感染しこの状態をエイズ(後天性免疫不全症候群)と呼びます。

治療を受けず放置すると数年から10年程度無症状の状態が続きますが、エイズを発症すると、様々な感染症や悪性腫瘍、神経障害などを引き起こし、平均3~5年で大半の人が死亡してしまいます。

日本におけるHIV感染者とエイズ患者は、増加傾向である一方、現在は治療方法が進歩し、HIV感染を早期に発見できればエイズの発症を抑えることが可能です。

HIVウィルスとは「感染者の血液、膣分泌液、精液、母乳、唾液の中に存在する」

HIVウィルスとは「Human Immunodeficiency Virus」のHIVで別名ヒト免疫不全ウイルスという名称です。

人間の免疫細胞に感染して免疫細胞を破壊していくウイルスです。

HIVウィルスは免疫を壊していく事で後天性免疫不全症候群「AIDS」エイズを発症させます。

とても広く知られている感染症の病気ですが、認知度はあるのに身近なものではないという印象があります。

しかし、その認識は間違っていて、誰もが感染する恐れのある意味とても身近な感染病なのです。

HIVウィルスのは一体どんな、何のウイルスなのか?

いつからHIVウィルスが発見されるようになったのか?

まずはHIVウィルスについて説明していきましょう。

HIVウィルスの歴史と起源

HIVウィルスの事の始まりは、1983年にエイズ患者から発見されています。

ここで気づくことは、エイズを発症した段階で発見されたのです。

その後、立て続けにエイズが発見されていきます。

そこでHIVウィルスは2種類に分類されHIV-1とHIV-2があります。

HIV-1は世界中で発見されているウィルスです。

HIV-2は西アフリカで多く発見されているHIVウィルスで血液、膣分泌液、精液、母乳、唾液の中に存在しています。

日本で多くされているHIVウィルスはHIV-1で国内でのHIV-2感染者はまだ数名です。

そもそもHIVウィルスはサル免疫不全ウイルスが突然変異して人に感染したことで生まれたと考えられています。

HIVウィルスに感染すると

ウイルス感染直後というのは約12週の間はウイルスに対しての抗体はまだ出来ません。

この状態で検査すると陰性の結果が出ます。

HIVウィルスに感染した2〜4週間後に体の不調が現れてきます。

発熱に倦怠感、関節痛など、風邪のような、インフルエンザによく似た症状が現れます。

そして、3ヶ月以内にはHIVウィルスに対する抗体ができます。

この状態で検査すると陽性の結果が出ます。

感染初期を通りこして無症候期という時期に入ると、この体調不良がなくなります。

ワクチンはできないのか?

HIVウィルスはとても変異しやすいウイルスです。

ウイルスの抗原がそれぞれ違うといわれていて、多種多様の形が存在します。

そのため、一つ一つの抗原に対してのワクチンを作ることは困難になります。

一つの抗原に対してのワクチンを作ったとしても、すぐに変異してしまい新しいウイルスが出てきてしまうのです。

ただし、HIVウィルスの感染を早期発見することで服薬治療によってエイズの発症を抑えることができるのです。

エイズ(HIV)感染症の症状

HIVに感染してから2~3週間ぐらいすると、軽い風邪のような症状がでて数日~10週間ぐらい続き、ほとんどの場合は自然に消えてしまいます。

その後数年~10年間ぐらいはなにも症状がありませんが、体の中でHIVはひそかに広がり、この期間をHIV感染とかHIVポジティブといいます。

治療をせず放置していると、さらに進行し、微熱や下痢が続いたり、リンパ節が腫れたり、肺炎などを起こし、その後、下痢が続き、どんどんやせて、食事もできなくなって、ついには死に至ります。

感染初期:急性感染期(2~8週間)

典型的な症状として、感染後1~2ヶ月たったころに、風邪に似たインフルエンザのような症状が出ます。

多い症状は、発熱、リンパ節の腫脹、咽頭炎、発疹、頭痛、筋肉や関節の痛みが出たりしますが、これら症状は数週間でなくなり、次の無症候期に移行しますが、この症状は感染した人すべてに現れるわけではなく、症状が出る人は半数程度で症状が現れない場合もあります。

この症状はだいたい2週間くらい続き、その後はまったく症状のない期間が8年から10年ほど続きます。

無症候期:(数年~10年以上)

感染後、症状が出ない期間が5~10年続き、症状は出ないため自覚症状がない場合がほとんどですが、体内ではHIVが増加してリンパ球が減少し、免疫力が少しずつ低下していきます。

長い無症状期のあと、エイズ関連症候群と呼ばれるさまざまな症状が現れ、リンパ節の腫れ、繰り返す発熱、寝汗、急激な体重減少、食欲不振などですが、これらの症状が出たからといってエイズとは限りません。

エイズ関連症候群:エイズ発症期(数年~)

エイズ関連症候群は、体の免疫力が低下しているために現れる症状です。

この免疫低下がさらに進むと、いわゆるエイズを発症します。

免疫力の低下により、発熱や体重減少、リンパ節腫脹、下痢や倦怠感、寝汗や頭痛などの症状が見られるようになり、エイズ(後天性免疫不全症候群)と判断されます。

リンパ球がある程度以下に減少すると、致命的な日和見感染や悪性腫瘍、神経障害など、さまざまな症状が引き起こされます。

体が健康な時は感染しない、ウイルスや細菌、カビなどの病原体により病気が起こるようになり、特にカリニ肺炎やカポジ肉腫が有名です。

感染経路

性行為で感染するのがほとんどで、HIVは血液、精液、膣分泌液、母乳に多く含まれており、口の中、ペニス、尿道、膣、直腸などの粘膜や、傷口に接触することで感染します。

具体的には、セックス、アナルセックス、オーラルセックスなどのあらゆる性行為で感染します。

注射器や注射針の使い回しも、感染の可能性があり、母子感染や輸血による感染の可能性もあります。

なお、汗、涙、唾液、尿、便などの体液の接触による感染の可能性は無く、性行為以外の日常的な接触での感染や空気感染、食物からの感染はありません。

HIVウィルスは日常生活の中では感染しない

HIVウィルスは血液、精液、膣分泌液、母乳から感染します。唾液や汗にもHIVウィルスは含まれますが、このウイルスはとても弱いウイルスなので体外に出ているものに関しては感染するほどの濃さのHIVウィルスはないため、感染はしません。

お風呂やプール、トイレなどで感染しないということです。

普通の日常生活を送っていれば感染することはないのです。

HIVウィルスの感染に関して、間違った知識を持つ人々は未だにたくさんいます。

HIVウィルスが感染するメカニズムはHIVウィルスが皮膚の中まで入り込むこと、粘膜の直接的な接触で感染します。

夏場に多くなる蚊などからも感染をしないことが分かっています。

性行為による感染

性行為によるHIVウィルスの感染は世界中のHIV感染症の約75%を占めている大きな原因となっています。

多くのパートナーと性交渉を持つ人々が感染する割合も高いです。

HIVに感染している相手との無防備な性交はHIVウィルスに感染するリスクがあります。

肛門による性交の場合は内部を傷つきやすい点から膣での性交に比べて感染のリスクは大きくなります。

どんな性行為であろうとも、皮膚や粘膜に傷がつけば感染のリスクはあります。

性交渉による感染を防ぐ方法は、性行為を控える、感染していないパートナーとする、性器の挿入をしない、性交の際には必ずコンドームを装着することです。

血液による感染

HIVウィルスに感染している血液が大量に直接血液の中に入ると感染する可能性はとても高くなります。

HIVに感染している血液を一回でも輸血すると95%以上の感染リスクがあります。

汚染された血液製剤によっても感染の危険は高いです。

HIVウィルスに感染した血液のついた注射針や入れ墨用の道具や皮膚穿孔器具などからの感染もあり得ます。

血液による感染の場合にネックになってくるのは入り込んでくるウイルスの量で、量が多くなれば感染の可能性も高くなります。

薬物を常習している人間はの注射針は何度も注射を繰り返しているので、HIV感染症の大きな原因ともなっています。

母子感染

HIVウィルスは感染した母親から生まれてくる胎児に感染してしまうことがあります。

出産後に母乳を与えることでも感染の危険があります。

ほとんどの産婦人科で妊娠3ヶ月頃に妊婦の同意のもとでHIV検査を受けることができます。

感染が分かることで赤ちゃんへの感染を防ぐことができます。

防ぐためには、まずは服薬をし、そして出産方法は血液による感染を防ぐために帝王切開になります。

感染を防ぐため母乳は与えず人口母乳を与えます。

生まれてくる赤ちゃんのためにもHIV検査を受けることはとても大切です。

検査

エイズの性病検査は、血液検査によって行われます。

血液検査といっても大量の血液は必要ありません。ほんの一滴(5cc程度)の分量で陰性・陽性をチェックすることができるため、痛みに敏感な方でも気軽に検査を受けられます。

エイズ検査は主に、1段階目の「スクリーニング検査」と2段階目の「確認検査」に分かれています。

スクリーニング検査では、体内のHIV抗体の有無を調べる「抗体検査」、HIVを形成するP24というタンパク質の有無を調べる「抗原検査」、HIVの核酸の有無を調べる「核酸増幅検査(NAT検査)」などが実施されます。

この検査で陽性反応が出た場合のみ、次の確認検査に移行します。

スクリーニング検査は、早ければ1時間程度で結果が出ますが、確認検査ではより時間をかけて、患者の血液を詳細に検査していきます。

スクリーニング検査の陽性結果が非特異反応による偽陽性なのか、本当にエイズに感染しているのか、確認検査の最終結果ですべてが判明します。一般的に、確認検査が終了するまで1~2週間程度かかります。

また、よく言われているのが献血の際に採取した血液を検査しているというものです。

確かに献血は安全上の面を考えて検査をしてはいるけれど、もしHIVの検査が陽性であっても献血した本人には知らせることはありません。

なので、エイズ検査は血液検査をすることが大切です。

日本のHIV感染者は、HIV-1型がほとんどなので1ヶ月程度で検出する方法も有りますが、より確実な検査結果を求めるならば2か月は空けた方が良いでしょう。

費用

泌尿器科や産婦人科などの医療機関での検査はHIV検査ならば3,000円から10,000円。

NAT検査ならば10,000円から20,000円程かかります。そして保健所に行ったり医療機関に行く時間がない、行く勇気がないというヒトにはHIVキットというものもおすすめになりますが、金額が4,000円前後になります。

エイズの性病検査は、総合病院の性感染症科あるいは泌尿器科に行けばいつでも受けられます。

費用は全額自己負担になるため、5000円前後と若干割高です。

もっと安価にエイズ検査を受けたい場合は、全国の保健所で実施されている無料のエイズ検査を利用する方法もあります。

病院と違って匿名での検査も可能なので、とても重宝します。

郵送検査

他人に顔を見られることさえ恥ずかしいという方は、エイズ検査用キットを購入して自宅で検査する方法もあります。

附属のガーゼに自分の血液を染み込ませ、所定の検査機関に郵送すれば、1週間程度で検査結果を知ることができます。

なお、エイズには「ウインドウピリオド」と呼ばれる潜伏期間があり、感染してから1ヶ月程度の期間内に検査をしても陽性反応が出ない可能性があります。

エイズ感染の心当たりのある方は、1度目の検査で安心せず、定期的に受診することが大切です。

血液をとって、HIV(エイズの原因ウイルス)に感染しているかどうかを検査します。

エイズやその他の性病を検査できるキットもあるので誰にも知られたく無い場合は使用すると良いでしょう。

血液検査は、感染の可能性のある日から3ヶ月以上たってから、検査を受けましょう。

治療

エイズの進行を抑える薬はありますが、現時点で完治する方法はありません。

エイズを完全に治療する方法はありませんが、複数の薬を併用する治療法により、エイズの発症を遅らせたり発症を抑制することはできるので健康な人と変わらない状態で日常生活を送れるようになってきています。

エイズの治療は出来るのか

かつて「死の病」と言われていたエイズの治療法も近年ではとても進歩しました。

先進国なのではエイズの発症を防ぐことができるようになっています。

しかし、それはエイズを発症する前の段階でHIV感染が分かった時の治療法です。

近年のエイズでの死亡の原因は、発症した際に初めて自分がエイズだということに気づく事なのです。

HIV感染症は人の免疫細胞を破壊することで免疫力を低下させるものです。

エイズを発症した時には、もうすでに免疫力は破壊され尽くし元に戻すことはできないのです。

健康な人ならばかかるはずのない感染症を発症します。

検査によって、早期に発見をしてウイルスを抑制する薬を飲むこと、そして生涯薬を飲み続けること、これがエイズに対した治療法なのです。

アメリカのみHIVを予防できる薬を承認

アメリカでは感染していない人が飲むことでHIV感染のリスクを下げられる薬が存在します。

ツルハダという薬で日本では抗レトロウイルス薬を合わせて処方されるHIV-1感染症に使われる治療薬です。

アメリカではパートナーが既にHIV-1感染症である感染の可能性が高い人を対象に予防薬として承認されています。

日本ではツルハダは看護師や医師などの医療機関の人間がHIV患者の血液のついた注射針を自分に誤って刺してしまった場合などに限って、HIV予防として使用することができます。

日本では治療で使用する場合に限り保険が適用される高価な薬です。

治療法もワクチンも未開発

HIV感染症に対しての完全な治療法やワクチンは残念ながら未だに存在はしていません。

HIVウイルスは突然変異をするため、一種類のワクチンを作っても意味がないからです。

抗ウイルス薬というのは様々なものが発明されていて、今でも発展をしていっています。

薬を飲むことでウイルスを抑え込むことはできるけれども、完治することはできないので一生薬を飲み続けなければなりません。

ただし、現在では抗ウイルス薬を飲み続けることで通常の寿命を全うできることも可能となっています。

HIV感染症の発見は早いほど良いのです。

全く思い当たることがなければ、感染していることもないに等しいのでしょうが、性体験がある場合などは絶対にHIVウイルスには感染していないとは言いきれないのがこの現代社会です。

エイズ感染者は減っていくどころか増加傾向にあります。

HIV検査は地域の保健所や医療期間などで受けることができます。

プライバシーを考慮して匿名での検査も可能です。HIVウイルスは早期発見することで薬物治療を受けることができます。

この治療を受けないことがかつてから言われていたエイズは「死の病」につながっていくのです。

自分のためにも、大切な人のためにも、世界のためにもHIV検査を受けましょう。

予防には、コンドームをエッチの最初から最後まできちんとつけるようにしましょう。