クラミジア

クラミジア感染症とは

クラミジア感染症は、日本で一番感染者の多い性病とされ、10代後半から20代の感染例が増大し、18~19歳の女性の3割程度が感染しているとも言われ、現在100万人以上のクラミジア感染者がいるとされます。

性器に感染した場合は性器クラミジア感染症、咽頭に感染した場合は咽頭クラミジア感染症と呼ばれます。

クラミジア感染症は自覚症状が無く、女性の7割以上、男性でも半分以上が自覚症状をもたないと言われ、感染を広げたり病状を悪化させる可能性があります。

クラミジアの病原体

菌の特徴と有効な感染経路の遮断

クラミジアの病原体の正式名称は「クラミジア・トラコマチス」という名前になっていて、肺炎や結膜炎などを引き起こす「トラコーマ」と呼ばれる病原体の起因菌だとされています。

そして、クラミジア・トラコマチスは人工培地で増殖することが出来ず、人工的に培養することが出来ない性質を持っているとされています。

今回は、クラミジア・トラコマチスの特徴と有効な感染経路の遮断について詳しく紹介していきます。

クラミジア・トラコマチスは、どのような特徴を持っているのか

クラミジア・トラコマチスは、性感染症の主要病原体として有名になっていますが、クラミジア・トラコマチスには2つの生物型があるとされていて、生物型LGVと呼ばれるタイプに関しては、性病性リンパ肉芽腫症を引き起こす原因だとされています。

性病性リンパ肉芽腫症というのは、鼠径部のリンパ腺に痛みを伴う腫れを引き起こし、直腸に感染することもあります。

生物型LGVというタイプに関しては、尿道炎や卵管炎を引き起こすタイプの病原体ではなく、主に亜熱帯地方で活発化している病原体となっていて、ヨーロッパやアメリカなどでは、あまり見られないのが特徴的です。

そして、もう一つのタイプとして、生物型Trachomaというものがあります。

これは、血清型とも呼ばれていて、トラコーマが流行している場所の眼に疾患がある患者から摘出されるクラミジアだとされています。

日本ではトラコーマが流行していない国となっていますので、生物型Trachomaが検出されるのは、クラミジアに侵されている患者の尿道や新生児の眼から検出されることが多くなっています。

新生児の眼から検出されることの原因としては、出産時に母体がクラミジアに感染されている場合、産道を通る際に胎児に感染させてしまうためだとされています。

この時点では発症するケースも少なく、潜伏する可能性が高いために、近年の10代前半の子供がクラミジアに感染するケースとしては、出産時に感染していたということが最も多いのではないかと推測されています。

特徴

クラミジアの原因菌でもあるクラミジア・トラコマチスですが、非常に弱い病原体となっていて、人口培養することも出来ないのが特徴的です。

そして、クラミジア・トラコマチスは2つのタイプに分かれていて、一般的に知られている性感染症に関係するタイプと、リンパ腺や直腸に感染するタイプにわかれていることが特徴となっています。

クラミジアの症状

男性では排尿時の痛み、尿道部分のかゆみ、女性の場合は下腹部の痛みやおりものの増加などが挙げられますが、男女とも症状が出ないことがあり、特に、咽頭や直腸に感染した場合は症状がほとんど現れません。

男性の症状

男性が主に感染する箇所は尿道で、尿道炎や精巣上体炎(副睾丸炎)などの症状が出ます。

具体的な症状としては、感染して1~3週間たったころから、おしっこの時に痛くなったり、尿道がかゆくなったりし、尿道からのうみや、排尿痛、尿道のかゆみや不快感、精巣上体の腫れ、軽い発熱や痛みなどがあらわれます。

感染しても症状が出ないことも多い性病ですが、治療せずに放置しておくと、前立腺炎や血精液症になることもあります。

女性の症状

女性の場合は子宮頸管に感染して、子宮頸管炎をおこしますが、症状はほとんど無くおりものが少し増えるとか、軽い生理痛のような痛みが出る程度です。

具体的な症状としては、おりものの増加や不正出血、下腹部の痛みなどがありますが、女性だと症状がでないことが多く、知らない間に子宮や卵管に感染が広がって、妊娠できなくなったりします。

女性の半数以上が症状を感じないと言われ、感染したまま放置しておくと卵管炎を起こし、子宮外妊娠や不妊症を引き起こします。

感染経路

クラミジア感染症は、基本的には性交により感染しますが、オーラルセックスで精液や膣分泌液を介して咽頭(のど)にも感染したり、そしてさらに人にうつす可能性があります。

その他、菌は直腸や尿にも出るため、アナルセックスで肛門に感染することもあります。

感染する場所は膣、尿道、咽頭、直腸等です。最近は、咽頭から病原体が見つかることが増えてきています。

自覚症状がほとんどないため、知らない内に感染していたり、感染させられたりしている可能性があります。

さらに妊娠中に感染した場合は母子感染の恐れもあります。

また、クラミジアに感染していると、HIVへの感染が3~5倍になると言われています。

感染源

クラミジア感染症は、クラミジアトラコマティスという病原体により感染する性病です。

感染は性交渉のほか、オーラルセックスやキスでも感染することがあります。

オーラルセックスによって男性の性器から女性の喉に感染、さらにキスを通して男性の喉に感染する、というルートもあります。

病気の放置

男性だと副睾丸(精巣上体)、女性だと子宮や卵管がおかされて、男女とも不妊症になる可能性があります。

男性の場合、クラミジアが精管に炎症を起こし、精管が詰まって不妊の原因となります。

女性の場合、骨盤内に感染が広がって卵管炎となり、卵管が詰まって不妊の原因となります。

検査

クラミジアの性病検査には、尿検査、膣分泌液、喉の粘膜検査があります。

クラミジアの細菌が性器だけでなく、喉に感染することもありますので、症状によっては喉の粘膜を採取することがあります。

クラミジアの検査は、保健所や病院、自宅で行うことができます。

保健所の場合は他の性病と一緒に血液を採取することによって診断をします。現在クラミジアに感染していなくても、感染歴があれば完治していてもクラミジアIgAもしくはクラミジアIgGを検出して陽性もしくは擬陽性と判断されることがあります。

これはクラミジアに対する抗体ですので、感染したことがあると体内に残っている場合があるのです。

血液検査だけでは、確定的な診断ができませんので、病院もしくは自宅にて男性の場合は尿検査を行います。

数時間はトイレに行かないようにして、膀胱に尿をしっかり溜めてから検査キットで尿を採取します。一般的には細菌のついていない清潔な紙コップを用意して、一度尿を溜めてから検査キットに移すと採取しやすくなります。

そして、専門機関にてPCR法という手法でクラミジア菌の検出を試みます。

遺伝子を増幅させることによって、わずかなクラミジア菌でも検出できる感度の高さを誇っています。ただし性交渉したばかりなど、病気が成立していない場合は検出されないこともあります。

ハイブリッドキャプチャー法であれば、遺伝子を増幅させる必要がないので感染していることを確定しやすいですし、喉の粘膜から採取した粘液からもクラミジア菌を見つけることが可能です。

尿道分泌物検査をして、診断をしますがパートナーと一緒に検査する必要があります。

性器や尿道を綿棒でこすって、そこにクラミジアがいるかどうかを検査し、男性では尿で検査することができます。

症状を悪化させないためにも、感染を拡大させないためにも、早めの検査が求められます。

予防と治療

治療には抗生物質が有効ですが、クラミジアは一度治っても何度でも感染するので注意が必要です。

治療方法は抗生物質が一般的で、治療期間は2~3週間となっています。

検査でも正確に判定されやすく、完治もしやすい性病ですが、完治後3割程度の人が再発するとも言われています。

放置しておくことでさまざまな症状が発生し、女性の場合、母子感染だけでなく、子宮や卵管に炎症が発生し腹膜炎や不妊症にかかってしまったり、流産や早産の原因になってしまうこともあり、男性の場合では慢性前立腺炎や副睾丸炎などに発展します。

病院で抗生物質を注射し、医師の処方した薬(抗生物質)を飲めば治りますが、治療が終わっても、きちんと治ったかどうかを検査する必要があります。

予防には、コンドームをエッチの最初から最後まできちんとつけることが必要です。